第9章 お手入れ

907.丸洗い

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丸洗いは、着物を仕立てたまま、その名の通り丸ごと洗います。ほとんどは、揮発性のアルコールを使用します。

洗い張りとは異なり、仕立てかえをしないため、新たに仕立て代がかからない経済的な利点があります。着物を着る人は、必ず利用されるメンテナンス(クリーニング)です。大抵の汚れは、これできれいになりますが、基本的には丸洗いは洗うだけで、個々のシミまでは責任を持たないのです。ですから丸洗いとシミ抜きを併用するのが通例です。

価格も着物の種類によって色々で、6,000円から18,000円位の幅があります。洋服専門のドライクリーニング店には、高級品は出さない方が無難です。色落ち、ちぢみ、プレス跡など取り返しのつかない事態が起きないとも限りません。和服を取り扱っているか、経験が豊富か、よく確かめてお出しください。やはり少々割高でも呉服屋さんなら安心です。

丸洗いでも、単に洗いました!っと、そのまま納品されるお店もあれば、表裏のズレを、お針仕事で丁寧に直した上で納められる店もあります。ですから、一概に値段が高い安いは言えません。特に留袖などは、絶対と言っても良いくらい比翼地(下着)と表の長さが狂います。これを修復するには、プロの和裁士でも最低でも丸一日は、かかります。

大切にメンテナンスをしていれば、20~30年、いや、それ以上は着られるのがきものです。やはり、手間を惜しまず手入れが大切です。

「知らないと後悔する着付け教室の話」が集英社に取材されました

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