きもの着ること自体は、誰でもできるでしょう。でも、きれいに美しく着ることは、そう簡単なことではありません。それだけに上手に着られたときの喜びは、格別です。
ここでは、おしゃれ着の着方を学びますが、おしゃれ着とは、おもに小紋や紬のことです。特に柔らかい正絹の小紋がきれいに着られるようになれば、訪問着や紬など、その他のきものも難なく着られるようになります。
美しい着付の基本は、帯よりも、まずは、きものの着付です。細かい点に留意し、無意識でも(テレビを見ながらでも)着られるまで練習しましょう。
ただし、繰り返しになりますが、自分の体型に合わないきもの(最適寸法でないきもの)は、どんなに練習しても、きれいに着ることはできません。
![]() | (1)着物を着ます。 背中心に指をかけ、掛衿より少し下を持ちます。 背中心の指をはずし、着物を後ろに回します。 |
![]() | (2)後ろで両手を開き、着物を肩にかけます。 |
![]() | (3)長襦袢の衿を押さないように、肩にかけます。 長襦袢の袖を持って、着物の袖に手を通します。 |
![]() | (4)裾合わせをします。 しっかり持ち上げてから、床すれすれに下ろします。 そうすると、腰の上がしわでもたつきません。 この時、手の位置は腰骨より高い所を持つようにします。 |
![]() | (5)上前を右腰骨に合わせます。 余分はしっかり下前の方に引いておきます。 腰にピッタリ着物が添うようにします。 |
![]() | (6)上前を開きながら、下前を合わせます。 この時、着物の長さは ずっと床すれすれのままです。 下前が脇まできたら、しっかり上げます。 柔らかい着物は15~20cmくらい。 身幅の広い着物は、脇から折り返します。 |
![]() | (7)上前を合わせ、腰骨まできたら、4~5cm上げます。 左手を身八つ口から入れて、両手で衿先を持ちます。 水平に引き、腰にたるみがない様にします。 引きすぎると縫い目が割れますので、着物がずれない程度に。 |
![]() | (8)上前を押さえて、ウエストあたりのしわを上に伸ばします。 前身頃、後身頃、下前の前身頃も忘れずに伸ばします。 |
![]() | (9)腰紐を締めます。 右手に腰紐をあてて、左手で左腰までまっすぐに当てます。 そのまま 両手を同時に後に回します。 |
![]() | (10)後で交差したら、指を入れてしわをとりながら脇でしっかり締めます。 |
![]() | (11)前に回して結びます。 ちょう結びにして、ひもが垂れ下がらない様にはさみます。 両身八つ口から手を入れて、おはしょりを整えます。 そのまま後にも手を回して、後のおはしょりも整えます。 |
![]() | (12)背中心を合わせます。 左右の掛衿を合わせ体の中心に持っていき、もう一方の手で背中心を持ちます。 前後に動かして衿をなじませます。 |
![]() | (13)着物の衿は、長襦袢の衿より0.5~1cm出します。 |
![]() | (14)衿合せをします。 まずは、下前から。 上前のおはしょりに腰紐を通しておきます。 左右の長さを揃えておきます。 |
![]() | (15)着物の衿幅は、掛衿のすこし下で3分の1を内側に折ります。 そこを左手で持って、右手の人差し指で上に向けて折り上げます。 |
![]() | (16)耳下位置まで合わせたら、ここで長襦袢の衿、着物の衿を重ねます。 半衿の幅が1cmになるように着物の衿の角度を決めます。 |
![]() | (17)掛衿より下(ウエストくらい)を左手で持って、それより下のおはしょりは内側に折り上げ、右脇下をめがけて三角形になるよう手を添えます。 実際には、左手を身八つ口から入れて表に出さずにします。 |
![]() | (18)三角に折りあげた中心に腰紐をあて、左手で押さえます。 右手で腰紐を右脇まで持ってきて、両手を同時に後ろに回します。 |
![]() | (19)引っ張りながら後に回し、交差したら片手で持ちます。 もう一方の手で背中心を体の中心に持っていきます。 |
![]() | (20)腰紐を持ちかえて、背中心に2本の指を入れます。 |
![]() | (21)両脇にむけて しわを伸ばします。 締めたら、腰紐を両脇に挟みます。 |
![]() | (22)上前の衿を合わせます。 下前同様、着物の衿幅は、掛衿のすこし下で3分の1を内側に折ります。 そこを右手で持って、左手の人差し指で上に向けて折り上げます。 耳下位置まで合わせたら、ここで長襦袢の衿、着物の衿を重ねます。 半衿の幅が1cmになるように着物の衿の角度を決めます。 |
![]() | (23)右脇の腰紐からとり、左手で持って上前を押さえます。 左胸の下まできたら、左の腰紐をとります。 |
![]() | (24)左胸の下で2回かけて、ねじって挟みます。 |
![]() | (25)長襦袢と同様に、後のしわからとっていきます。 腰紐の下で背中心が体の中心にあるか、もう一度確かめます。 |
![]() | (26)背中心に2本の指を入れ、両脇に向かってしわを伸ばします。 |
![]() | (27)後のおはしょりを軽く引いて、縦のしわを伸ばします。 腰紐はあまり締めすぎないように。指2本がすーっと動くくらいにします。 |
![]() | (28)脇の始末をします。 まずは、左脇から。 後身頃の身八つ口を前に引いて、後のしわを伸ばします。 |
![]() | (29)前身頃の身八つ口を後に引いて、後身頃の上に重ねます。 衿が動かない様に、しわを伸ばす程度に引いてください。 |
![]() | (30)腰紐の下の脇の縫い目で、タックを寄せてしわを伸ばします。 |
![]() | (31)右脇の始末をします。 後身頃の身八つ口を前に引いて、後のしわを伸ばします。 |
![]() | (32)前身頃の身八つ口を後に引いて、後身頃の上に重ねます。 衿が動かない様に、しわを伸ばす程度に引いてください。 |
![]() | (33)腰紐の下の脇の縫い目で、タックを寄せてしわを伸ばします。 衿先をひろげて、タックを衿の中に入れます。 |
![]() | (34)伊達〆をします。 ここでは博多織を使います。 伊達〆の中心を体の中心にあて、後ろにまわします。 |
![]() | (35)伊達〆を交差させます。 |
![]() | (36)下になった方だけ折ります。 軽く締めて前にまわします。 |
![]() | (37)2回かけて、ねじって挟みます。 |
![]() | (38)前板をつけて、出来あがりです。 着物の丈は、床すれすれの長さにします。 裾線、おはしよりの線はすこし右上がりになります。 耳下で着物の衿、長襦袢の衿が揃います。 半衿は1cm出します。 上前とおはしよりのおくみの縫い目がまっすぐに揃います。 |