第2章 きものの着方

204.おしゃれ着の着方

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きもの着ること自体は、誰でもできるでしょう。でも、きれいに美しく着ることは、そう簡単なことではありません。それだけに上手に着られたときの喜びは、格別です。

ここでは、おしゃれ着の着方を学びますが、おしゃれ着とは、おもに小紋こもんつむぎのことです。特に柔らかい正絹しょうけんの小紋がきれいに着られるようになれば、訪問着ほうもんぎつむぎなど、その他のきものも難なく着られるようになります。

美しい着付の基本は、帯よりも、まずは、きものの着付です。細かい点に留意し、無意識でも(テレビを見ながらでも)着られるまで練習しましょう。

ただし、繰り返しになりますが、自分の体型に合わないきもの(最適寸法でないきもの)は、どんなに練習しても、きれいに着ることはできません。

(1)着物を着ます。

背中心に指をかけ、掛衿より少し下を持ちます。

背中心の指をはずし、着物を後ろに回します。

(2)後ろで両手を開き、着物を肩にかけます。

(3)長襦袢の衿を押さないように、肩にかけます。

長襦袢の袖を持って、着物の袖に手を通します。

(4)裾合わせをします。

しっかり持ち上げてから、床すれすれに下ろします。

そうすると、腰の上がしわでもたつきません。

この時、手の位置は腰骨より高い所を持つようにします。

(5)上前を右腰骨に合わせます。

余分はしっかり下前の方に引いておきます。

腰にピッタリ着物が添うようにします。

(6)上前を開きながら、下前を合わせます。

この時、着物の長さは ずっと床すれすれのままです。

下前が脇まできたら、しっかり上げます。

柔らかい着物は15~20cmくらい。

身幅の広い着物は、脇から折り返します。

(7)上前を合わせ、腰骨まできたら、4~5cm上げます。

左手を身八つ口から入れて、両手で衿先を持ちます。

水平に引き、腰にたるみがない様にします。

引きすぎると縫い目が割れますので、着物がずれない程度に。

(8)上前を押さえて、ウエストあたりのしわを上に伸ばします。

前身頃、後身頃、下前の前身頃も忘れずに伸ばします。

(9)腰紐を締めます。

右手に腰紐をあてて、左手で左腰までまっすぐに当てます。

そのまま 両手を同時に後に回します。

(10)後で交差したら、指を入れてしわをとりながら脇でしっかり締めます。

(11)前に回して結びます。

ちょう結びにして、ひもが垂れ下がらない様にはさみます。

両身八つ口から手を入れて、おはしょりを整えます。

そのまま後にも手を回して、後のおはしょりも整えます。

(12)背中心を合わせます。

左右の掛衿を合わせ体の中心に持っていき、もう一方の手で背中心を持ちます。

前後に動かして衿をなじませます。

(13)着物の衿は、長襦袢の衿より0.5~1cm出します。

(14)衿合せをします。

まずは、下前から。

上前のおはしょりに腰紐を通しておきます。

左右の長さを揃えておきます。

(15)着物の衿幅は、掛衿のすこし下で3分の1を内側に折ります。

そこを左手で持って、右手の人差し指で上に向けて折り上げます。

(16)耳下位置まで合わせたら、ここで長襦袢の衿、着物の衿を重ねます。

半衿の幅が1cmになるように着物の衿の角度を決めます。

(17)掛衿より下(ウエストくらい)を左手で持って、それより下のおはしょりは内側に折り上げ、右脇下をめがけて三角形になるよう手を添えます。

実際には、左手を身八つ口から入れて表に出さずにします。

(18)三角に折りあげた中心に腰紐をあて、左手で押さえます。

右手で腰紐を右脇まで持ってきて、両手を同時に後ろに回します。

(19)引っ張りながら後に回し、交差したら片手で持ちます。

もう一方の手で背中心を体の中心に持っていきます。

(20)腰紐を持ちかえて、背中心に2本の指を入れます。

(21)両脇にむけて しわを伸ばします。

締めたら、腰紐を両脇に挟みます。

(22)上前の衿を合わせます。

下前同様、着物の衿幅は、掛衿のすこし下で3分の1を内側に折ります。

そこを右手で持って、左手の人差し指で上に向けて折り上げます。

耳下位置まで合わせたら、ここで長襦袢の衿、着物の衿を重ねます。

半衿の幅が1cmになるように着物の衿の角度を決めます。

(23)右脇の腰紐からとり、左手で持って上前を押さえます。

左胸の下まできたら、左の腰紐をとります。

(24)左胸の下で2回かけて、ねじって挟みます。

(25)長襦袢と同様に、後のしわからとっていきます。

腰紐の下で背中心が体の中心にあるか、もう一度確かめます。

(26)背中心に2本の指を入れ、両脇に向かってしわを伸ばします。

(27)後のおはしょりを軽く引いて、縦のしわを伸ばします。

腰紐はあまり締めすぎないように。指2本がすーっと動くくらいにします。

(28)脇の始末をします。

まずは、左脇から。

後身頃の身八つ口を前に引いて、後のしわを伸ばします。

(29)前身頃の身八つ口を後に引いて、後身頃の上に重ねます。

衿が動かない様に、しわを伸ばす程度に引いてください。

(30)腰紐の下の脇の縫い目で、タックを寄せてしわを伸ばします。

(31)右脇の始末をします。

後身頃の身八つ口を前に引いて、後のしわを伸ばします。

(32)前身頃の身八つ口を後に引いて、後身頃の上に重ねます。

衿が動かない様に、しわを伸ばす程度に引いてください。

(33)腰紐の下の脇の縫い目で、タックを寄せてしわを伸ばします。

衿先をひろげて、タックを衿の中に入れます。

(34)伊達〆をします。

ここでは博多織を使います。

伊達〆の中心を体の中心にあて、後ろにまわします。

(35)伊達〆を交差させます。

(36)下になった方だけ折ります。

軽く締めて前にまわします。

(37)2回かけて、ねじって挟みます。

(38)前板をつけて、出来あがりです。

着物の丈は、床すれすれの長さにします。

裾線、おはしよりの線はすこし右上がりになります。

耳下で着物の衿、長襦袢の衿が揃います。

半衿は1cm出します。

上前とおはしよりのおくみの縫い目がまっすぐに揃います。

「知らないと後悔する着付け教室の話」が集英社に取材されました

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