第17章 きものの柄と技法

1703.辻ヶ花

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辻ヶ花(つじがはな)は、室町時代から桃山時代にかけて現れた絞り染めの一種です。

辻ヶ花の由来については定説がなく、花が躑躅のように見えるところから「つつじが花」の略という説、また、たすきがたの斜格子に花を配した模様が「町の辻」に似ているからという説などがあります。

その染色技法は突然現れ、また、幻のように突然姿を消したことから「幻の染め」とも呼ばれ、ことさら神秘的な美しさを増幅します。

多くの絞り染めは、濃い地色と白く染め残されたコントラストによって美しさを表現しますが、辻ヶ花は、その白く染め残された部分にも後から手描きで彩色します。

絞り染めの強烈な色彩と手描きの柔らかい色合いの調和は、華やかと言うよりひかえめな美しさであり、渋さや格調さえ感じさせます。柄のあちこちに意味深長に描かれた「 」マーク、そして枯れた花びら。何を訴えようとしているのか、まるで禅問答で出される公案(課題)のようにも思われます。

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