第18章 きもので外出するとき

1802.きものでの振る舞い

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立ち居振舞い

どんなに高価で良く似合うきものでも、不慣れな動きはぎこちなく、未熟さだけが目立ちます。自信の無さが、どことなく表情にも現れて、せっかくの晴れ姿がだいなしになってしまいます。

初歩的な礼儀作法を心がけ、基本的な動作(立ち居振る舞い)を身につけるには、実際にきものを着て、慣れることが大切です。自然で美しい立ち居振る舞いは、着る人の魅力を一層引き立ててくれます。

立ち姿

頭の先から糸で吊られているように、背筋をピンと伸ばします。
つま先が開かないよう、体の中心に力を入れて内股気味に立ちます。
両腕は前で自然に重ねます。
手を上げる時は、二の腕が見えないよう肩より下で袖口を押さえます。

歩き方

背筋を伸ばしあごを引きます。
両腕は自然におろし、右手は上前の端を押さえるようにおきます。
手荷物は左手で持ちます。正面を見ながらつま先を意識して、直線を挟むように歩きます。
外では、足はまっすぐ伸ばしてキリッと歩きます。
和室では、歩幅は小さめにして、畳からあまり足を上げずに歩きます。
畳のふちは踏まない方が良いでしょう。

階段の上り下り

体は階段に向かって斜めにし、右手で上前を軽く引き上げながら一段づつ上がります。
下りるときも同様にし、裾から足首が見えないようにします。
また、足下を見ていて背筋が丸くならないように気をつけます。

イスの座り方

バッグはイスの背もたれに立てかけるように置きます。
浅めに腰かけ、膝頭を合わせてから、背筋を伸ばして静かに座ります。
上前を引き上げ、両足をやや斜めに引いて、両袖は膝の上で重ねます。

車の乗り降り

バックや手荷物は先に車内に入れます。
頭に注意して、シートの左端に腰かけます。
上半身を車内にいれたら、腰を軸に、そろえた足を上げながら回転します。
帯がつぶれないよう浅く腰かけ、取っ手をつかんで体を支えます。
降りる時は逆の順序になります。

お辞儀の仕方

お辞儀には座ってする座礼と立ったままで頭を下げる立礼とが有ります。
どちらの場合も背筋をきちんと伸ばして行いましょう。
心を込め、ゆっくり頭を下げるときれいなお辞儀ができます。

どの場合も頭だけを落とさず、体を起こす時は頭だけ残らないように注意をします。
また、挨拶を交わしてから礼に入ります。
頭を下げながらの挨拶は、あまり感じの良いものではありません。

座礼

会釈

指先を伸ばし、膝頭でそろえて畳に軽くふれ、上体を傾けます。
あいさつ程度のお辞儀です。

一般的な普通の礼です。指先を合わせ、ハの字にして手の平を畳につけます。
目線が膝頭から40cm程の畳を見る位、上体を傾けます。

最敬礼

手は同様にして、より深く体を傾けます。
相手に対し深い敬意を表したお辞儀です。
上体をゆっくり傾けながら、畳との距離が20cm位まで頭を下げます。
この時、お尻が浮いたり背筋が丸くならないように注意しましょう。

立礼

会釈

軽いお辞儀。腰を少し折ります。(15度位)

両手は膝の中間位。腰を30度位曲げます。

最敬礼

最もていねいな敬礼。深々とした礼をします。
両手が膝につく位。腰を90度近く曲げます。

訪問する時の注意

よそのお宅を訪問するときは、呼鈴を押す前に玄関先でコートやショールを脱いでおきます。
脱いだコートやショールは袖だたみにして左腕に掛けます。
玄関で挨拶を交わしたら正面を向いたまま式台中央を避けて上がります。
その後、向き直って斜めに膝をつき履物をそろえます。
手土産は部屋に通され、挨拶がすんだ頃合いを見計らって渡します。
風呂敷から取り出して品物の正面を相手に向け、両手を添えて差し出します。

座布団の座り方・すすめ方

座布団に座るのは、挨拶がすんでから。
まず、座布団の横か後ろに正座します。
手を軽く握り、座布団の中央近くについて、膝で移動します。
座布団の中央まで歩いて行かないようにします。
座布団から下りて、おいとまの挨拶をします。
座布団は二つ折りにしたり裏返したりしてはいけません。
座布団は上座か、お客様の前に出しますが、お茶席以外は手渡しせずに、
畳の上に置いて勧めます。
前もって来客がわかっていれば、上座に出しておく方が良いでしょう。

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