第11章 礼装のきもの

1104.訪問着の着方

更新日:

着方の手順

(1)訪問着を着る前に伊達衿をつけます。

着物の衿を半分に折り、衿の中心と伊達衿の中心をあわせます。

伊達衿が着物の衿から出ない様に、少し控えます。

まず、中心をピンでとめます。胴裏の衿付けの縫い目にとめます。

次に、両肩明きの所で伊達衿を少しつらせてピンをとめます。

つらせる事によって、着た時きれいにそぐいます。

(2)着物を着ます。

長襦袢の衿にかぶさらない様に、肩にかける様にきます。

伊達衿は後に上げておきます。

(3)裾合わせをします。

しっかり持ち上げてから、床すれすれに下ろします。

そうすると、腰の上がしわでもたつきません。

この時、手の位置は腰骨より高い所を持つようにします。

(4)上前を右腰骨に合わせます。

余分はしっかり下前の方に引いておきます。

腰にピッタリ着物が添うようにします。

(5)上前を開きながら、下前を合わせます。

この時、着物の長さはずっと床すれすれのままです。

(6)下前が脇まできたら、しっかり上げます。

柔らかい着物は15~20cm。

身幅の広い着物は、脇から折り返します。

(7)上前を合わせ、腰骨まできたら、4~5cm上げます。

(8)左手を身八つ口から入れて、両手で衿先を持ちます。

水平に引き、腰にたるみがない様にします。

引きすぎると 縫い目が割れますので、着物がずれない程度に。

(9)上前を押さえて、ウエストあたりのしわを上に伸ばします。

前身頃、後身頃、下前の前身頃も忘れずに伸ばします。

(10)腰紐を締めます。

ここでは、ウエストベルトを使いますが腰紐と使い方は同じです。

右手にウエストベルトをあてて、左手で左腰までまっすぐに当てます。

そのまま 両手を同時に後に回します。

(11)後で交差したら、指を入れてしわをとりながら脇でしっかり締めます。

(12)前に回してとめます。

腰紐の場合はちょう結びにして、ひもが垂れ下がらない様にはさみます。

(13)両身八つ口から手を入れて、おはしょりを整えます。

(14)そのまま後にも手を回して、後のおはしょりも整えます。

(15)背中心を合わせます。

左右の掛衿を合わせ体の中心に持っていき、もう一方の手で背中心を持ちます。

前後に動かして衿をなじませます。

着物の衿は、長襦袢の衿より0.5~1cm出します。

(16)衿合せをします。まずは、下前から。

着物の衿幅は、掛衿のすこし下で3分の1を内側に折ります。

そこを左手で持って、右手の人差し指で上に向けて折り上げます。

(17)着物の衿から伊達衿が0.5cm出るように合わせて、左手に持ちます。

右手の人差し指と中指を使って、上に向って合わせていきます。

(18)耳下位置まで合わせたら、ここで長襦袢の衿、伊達衿、着物の衿を重ねます。

(19)胸ひもをします。ここでは、サッシュを使います。

腰紐の使い方は、「おしゃれ着の着方」を参照してください。

掛衿の下((17)、(18)の左手の位置)を右手でもって、半衿の幅が1.5cmになるように着物の衿の角度を決めます。

左手はサッシュのクリップを持って、身八つ口から中に入れておきます。

(20)右手の所(ウエストくらい)をクリップで止めます。

実際には、表に出さず(21)の写真のように、着物の中でします。

※本来なら見えない所なので、左手で持っています。

(21)クリップより下のおはしょりは内側に折り上げ、右脇下をめがけて三角形になるよう手を添えます。

そのまま、手をはずします。

(22)上前の衿を合わせます。

下前同様、着物の衿幅は、掛衿のすこし下で3分の1を内側に折ります。

そこを右手で持って、左手の人差し指で上に向けて折り上げます。

(23)着物の衿から伊達衿が0.5cm出るように合わせて、右手に持ちます。

左手の人差し指と中指を使って、上に向って合わせていきます。

耳下位置まで合わせたら、ここで長襦袢の衿、伊達衿、着物の衿を重ねます。

(24)右手の所(ウエストくらい)をクリップで止めます。

左右のクリップの位置が、平行になっているのを確かめてください。

(25)下前のおはしょりが落ちていないことを確かめて、サッシュを当てます。

サッシュの中心を体の中心に合わせます。

(26)衿が動かないように、サッシュを胸下に押さえつけるように当てます。

(27)引っ張りながら後に回し、交差したら片手で持ちます。

もう一方の手で背中心を体の中心に持っていきます。

(28)背中心に2本の指を入れます。

(29)両脇にむけてしわを伸ばします。

(30)前に回して2回かけて、はさみます

(31)長襦袢と同様に、後のしわからとっていきます。

サッシュの下で背中心が体の中心にあるか、もう一度確かめます。

(32)背中心に2本の指を入れ、両脇に向ってしわを伸ばします。

(33)後のおはしょりを軽く引いて、縦のしわを伸ばします。

サッシュは脇にシャーリングがついていますので、締めすぎないように。

指2本がすーっと動くくらいにします。

(34)脇の始末をします。まずは、左脇から。

サッシュの幅半分を下に折ります。

(35)後身頃の身八つ口を前に引いて、後のしわを伸ばします。

(36)前身頃の身八つ口を後に引いて、後身頃の上に重ねます。

衿が動かない様に、しわを伸ばす程度に引いてください。

(37)サッシュを元に戻します。

サッシュの下の脇の縫い目で、タックを寄せてしわを伸ばします。

(38)左脇の始末をします。

サッシュの幅半分を下に折ります。

後身頃の身八つ口を前に引いて、後のしわを伸ばします。

(39)前身頃の身八つ口を後に引いて、後身頃の上に重ねます。

衿が動かない様に、しわを伸ばす程度に引いてください。

(40)サッシュを元に戻します。

サッシュの下の脇の縫い目で、タックを寄せてしわを伸ばします。

(41)衿先をひろげて、タックを衿の中に入れます。

(42)前板をつけて、出来あがりです。

礼装の着物の丈は、床すれすれの長さにします。

裾線、おはしょりの線はすこし右上がりになります。

耳下で着物の衿、伊達衿、長襦袢の衿が揃います。

半衿は1~1.5cm、伊達衿は0.5cm出します。

上前とおはしょりのおくみの縫い目がまっすぐ揃います。

「知らないと後悔する着付け教室の話」が集英社に取材されました

着物の国のはてな

ネット上の口コミや評判だけではわからない『失敗しない着付け教室の探し方』を解説しています。

取材された内容を詳しく見る

-第11章 礼装のきもの

Copyright© きものカルチャー研究所 , 2024 All Rights Reserved.